皆さんはどんなときに運動不足を実感しますか? 毎日お客様に接していると、「たまに走ると辛い」「階段がきつくなった」などの声をよくお聞きします。 日頃の運動不足解消のため手軽に始められる運動として、「歩く」ということを習慣にしている方も多いと思います。 そんな方々に私は、「平坦な道だけでなく、階段や坂道をお散歩コースに取り入れてくださいね」とお勧めしています。 なぜなら、健康のために歩いているのに、余計に不調が出てしまう方もいるからです。 今日はその理由をお話したいと思います。 筋肉にはローカルマッスル(深層筋)とグローバルマッスル(表層筋)という2種類があり、その昔はインナーマッスルとアウターマッスルなんて呼ばれたりもしていました。 基本的に表層にある筋肉の方が大きく強いので出番が多く、日常で深層筋はあまり使われないのですが、そのため施術でお客様のお体を見ると深層筋が使えておらず、表層筋がカチカチになっていることが多いです。 そもそも腰痛などはこの深層筋と表層筋のアンバランスからきていることが多いのですが、歩行に使われる筋肉は、大腿四頭筋やハムストリングスなどの表層筋です。このアンバランスな状態でさらに頑張って歩行を続けるとどんどんそれらの筋肉が固くなってしまいます。 では、ローカルマッスルを効果的に鍛えるにはどうしたらいいか。 必要なのは、階段や坂道を登るなどの、「自分の体を高いところに移動させる登り運動」です。 家の階段がきつくなってきたというのは、深層筋が弱くなってきたという予兆かもしれません。 そこで効果的なのは、平坦な道を歩くお散歩ではなく、深層筋を鍛えるための「登り運動」だということです。 だから、たくさん歩かなくていいので、坂や階段を登ってほしいのです。 痛みの根本改善に必要なのは、 「間違った使い方で緊張した筋の弛緩と、正しい筋の使い方の再教育」です。 私は施術でせっせと緊張した表層筋を緩めますので、深層筋が活性し、働きやすい状態になったタイミングで、 効率よく「登り運動」を日常に取り入れてみてください。 足のむくみを取りたい 一年で一番寒さが厳しい季節。 私が体を温めたいときに重宝しているスパイスが八角です。 強力な抗ウイルス作用があり、インフルエンザの薬のタミフルの原料でもあります。 冬は漢方的にホルモンバランスや老化を司る「腎」の働きが弱くなりやすい季節で、腎が原気(元気)の元となることから「寒さや冷えが老化を招く」とも言われます。 八角にはその腎を補う作用があり、これらが原因となる腰痛や腹痛を改善したり、食欲不振、血行障害などの治療にも用いられています。 お好みの野菜を入れた塩味のスープに八角を一つ入れるだけで、冬にぴったりな薬膳スープが出来上がります。 棒々鶏を作るときに八角を入れると、風味がついてさらに美味しくなりますよ。ぜひお試しください。 インフルエンザに麻黄湯 きゅうりのスープ 湯(タン)の力 多くの女性が気にされているむくみ、足を出す夏が近づくと余計に気になりますね。 夏になりきらないこの季節、まだ夏の体になっていないので、体内では水分が滞り、むくみ、手足の冷えなどが起こりやすくなります。 セルフマッサージで行うときは、「下から上へ」足首や膝裏の関節に向かって流すのが鉄則ですが、そんなむくみを運動で解消するにはカーフレイズ(かかと上げ)が効果的で、特に上げきったかかとをゆっくり下ろす局面がむくみ解消に大きな効果を発揮します。 信号待ちや電車待ちなど、ちょっとした時間に「じっくり下げる」ことを意識した「かかと下げ」でスッキリ脚が手に入ったらいいですね。 おうち薬膳の「きゅうりのスープ」もいいですよ。ぜひお試しください。 腰痛のときの呼吸法 インフルエンザが流行っていますね。漢方薬の麻黄湯がインフルエンザに効果があるというのは有名ですが、インフルエンザウイルスに直接作用するわけではなく、気道の炎症を抑え、体の防御機能を高めることでウイルスに抵抗すると考えられています。
私は風邪っぽいなと感じた時、主にこの麻黄湯と葛根湯を使い分けているのですが、体がだるい、のど鼻に違和感があるという程度の時は1日3回の葛根湯を数日続けます。 熱が出て悪寒がする、体の節々が痛いという時は、麻黄湯を飲んで暖かくして眠るとジワーと汗が出て体が熱くなり、翌日かなり楽になっています。急な発熱でどうしても病院に行けない時、常備しておくと頼りになる漢方薬です。 |